毎年暑い時期恒例の「熱中症」。名前はよく耳にしますが、どんな病気か、どう対応したらいいか説明できますか?この機会に、正しく理解し、しっかりと対策を立てていきましょう!熱中症ってどんな病気?熱中症とは、体温調節機能が崩れ、高体温になり、命が危険な状態になる病気です。熱中症を引き起こす条件は、「環境」「からだ」「行動」の3つがあると考えられます。熱中症を引き起こす3つの要因環境高気温、高湿度、風がない、日差しが強い、閉め切った屋内、エアコンのない部屋、急に暑くなった日からだ乳幼児や高齢者・肥満、持病(精神疾患や糖尿など)、栄養不足、脱水行動激しい運動・なれない運動、長時間の屋外作業、水分摂取不足これらの条件が組み合わさることで、体温調整機能が崩れ、どんどん身体に熱が溜まってしまい高体温となります。このような状態が熱中症で、最悪の場合、命が危険にさらされます。熱中症と発熱って何が違うの?同じ「体温が40℃」と言っても、風邪などによる発熱と熱中症、そもそも何が違うのでしょうか?風邪などによる「発熱」は、ウイルスや細菌などと戦うために「自分の体が意図的に体温を上げている状態」です。意図的に上げているので、体が設定した温度以上に上がることはなく、例え40℃と高熱であっても、熱そのものでは生命に危険はありません。しかし、熱中症による「高体温」は、体温調節機能が壊れたために「自分の意図とは無関係に体温が上がってしまっている状態」になります。予定されていなかった温度上昇に体が付いていかないため、熱中症による高体温では生命にさらされるのです。体温が高くなくても要注意!熱中症は「病的に体温が上がってしまう状態」ではあるのですが、注意点として「必ずしも体温計で高熱になる」というわけではありません。みなさんの使う体温計は「体表温(体の表面の温度)」を測定しています。汗や空気など、外部の影響を受けるため、一見「正常体温」の様に見えてしまうことがあります。しかし、熱中症では「深部温(体の中の温度)」の上昇が問題になります。深部温の測定は普通の体温計では難しく、「体温計で正常だから大丈夫かな」と油断していると取り返しがつかないことになることも。熱中症かどうかは「体温」ではなく「状況」で判断しましょう。「3つの要因」に当てはまる場合は、熱中症として対応するように心がけましょう。熱中症を予防しよう!水分をこまめに取りましょう喉が渇いてなくてもこまめに補給をしましょう!「喉が渇いたな」と思った時点ですでに脱水症の危険性があります。汗をかいたら塩分補給も汗には塩分が含まれるので、大量の汗をかくときは合わせて塩分補給も。ただし、汗をかいてないのに塩分を過剰に取るのはNG。必要な時に必要な補給をしましょう!体を上手く冷ましましょう首やわき、足の付け根など、太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと、効率よく体を冷やすことができます。また、運動や活動前に冷たい水分をとっておくことで、体の中から直接冷やせるため、効率的に体温を下げ、熱中症予防にも有効です(プレクーリング)。直射日光を避けましょうぼうしや日傘を使用して、直射日光を避けましょう。また、日陰を選んで歩いたり、休憩できる場所を確認しておきましょう。快適な環境で過ごしましょう屋内でも気温・室温が高くなると熱中症になってしまいます。エアコンや扇風機等も利用して、快適な環境で過ごしましょう。また、暑くなりすぎる前に、暑さに体を少しずつ慣らす「暑熱順化」も進めていきましょう。外出時は事前に熱中症リスクの確認をお出かけや外での活動の際は、その日の天候や気温などを事前に確認して、準備をして出かけましょう!「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」などの利用もお勧めです。全国の暑さ指数 | 熱中症予防情報サイト・環境省体調を整え、丈夫な体を作りましょう睡眠時間をしっかりと確保しましょう。また食事もしっかりととって、規則正しい生活で、熱中症に負けない体づくりをしていきましょう。アルコール摂取は、脱水や二日酔いなどを起こし、熱中症リスクを高めるのでほどほどにしましょう。無理をしないそれでも体調不良になることはあります。体調不良の時は特に注意が必要!無理せず、しっかりと休むようにしましょう!おまけ : 計画的に暑さになれよう!「暑熱順化」暑さに慣れていないと熱中症になる危険性が高まります。体が暑さに慣れることを「暑熱順化」と呼びます。暑熱順化がすすむと、汗を効率的にかけるようになったりと、暑さに体が上手に対応できるようになります。冷房のきいた部屋で安全に過ごすことも大切ですが、“暑さになれる”ことも大切。暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。本格的に熱くなる前に日常生活の中で、運動や入浴するなどで汗をかき、体を暑さに少しずつ慣れさせていきましょう。応急処置のポイント熱中症の対処方法(応急処置) : 環境省応急処置のポイント : 熱中症ゼロへ【参考サイト】熱中症予防情報サイト : 環境省熱中症ゼロへ「熱中症」 : こどもの病気とおうちケア「教えて!ドクター」△ こどもの熱中症について詳しく知りたい方にはおすすめです!